「AMIA 2022 Annual Symposium」に出展 ~潜在意識分析システム「カラタレ」を活用した、職員の生産性低下を未然に防ぐ心理的研究の実証研究結果を紹介~


名古屋大学医学部附属病院メディカルITセンター(センター長:白鳥 義宗)は、2022年11月5日から11月9日(現地時間)まで、アメリカワシントンDCで開催される「AMIA 2022 Annual Symposium」に出展します。
(AMIA(American Medical Informatics Association):アメリカ医療情報学会) 

本シンポジウムでは、ネットワンシステムズ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:竹下 隆史)の協力の下、職員の生産性低下を"未然に"防ぐことを目的に、色彩心理学とAI技術によって潜在意識を分析するSaaS型タレントマネジメントシステム「カラタレ」を活用した心理的研究の実証研究結果を発表します。 

「本研究の背景や概要」は、以下のURL (2021年3月8日発信の当院リリース)をご覧ください。
https://www.med.nagoya-u.ac.jp/hospital/news/press-release/2021/03/08094119.html

本研究結果について

実施期間:20216月~20226
被験者 :医療助手33
プロセス:被験者について、以下の4つの情報を定期的に取得します。そして、多様な切り口による機械学習を通じて、各情報の相関関係の可視化を行います。

  • プレゼンティーイズム:世界保健機関(WHO)が定義した、健康と労働パフォーマンスに関する質問票「WHO-HPQ」を用いて測定
  • アブセンティーイズム:質問票「WHO-HPQ」を用いて測定
  • 潜在意識:「カラタレ」を用いて、150個の性格特性、8個の知能特性、6個の職業適性を分析
  • 人事データ:離職・休職データ、及び、評価データ

 高齢化や医療の専門化を背景に、医療助手の需要は年々高まっているにも関わらず、医療福祉分野の離職率の高さが問題となっています。これまでの調査では、医療現場スタッフのアブセンティーイズムやプレゼンティーイズム(※)への高い精神的負担や寄与は、性格や相性などの内生的要因の関与を示唆していますが、バイアスが少なく簡便で心理学的に検証された定量的評価方法はありませんでした。しかし、本研究では「カラタレ」による、色彩心理理論に基づいたバイアスの少ない性格特性評価法を活用することで、被験者からプレゼンティーイズムを予測し得るスコアを抽出することができました。 

※WHO(世界保健機関)によって提唱された健康問題に 起因したパフォーマンスの損失を表す指標。プレゼンティーイズムとは、「欠勤にはいたっておらず勤怠管理上は表に出てこないが、健康問題が理由で生産性が低下している状態」、アブセンティーイズムは「健康問題による仕事の欠勤(病欠)」を意味する。 

コロナ渦でリモートワークが普及しましたが、職場に馴染めない等の理由で、休職者や退職者の増加が問題になっています。今後、「カラタレ」の活用により、高度なプレゼンティーイズムの予測が行えるようになれば、従業員の仕事へのモチベーションの向上や企業全体の労働生産性の向上、退職率の低下などの効果が期待できます。

カラタレについて

カラタレ」は、社員特性の分析・管理に特化したHR-Techシステムです。最大の特長は、潜在意識分析にフォーカスした質問不要のシステムで、60枚の画像から直感的に好む10枚を選ぶだけで、非常に簡単に、かつ、バイアスフリーで、性格特性や知能特性、職業適性等様々な特性分析が可能な点です。 

本研究では、複数の被験者を対象として、約1年という長期にわたり、生産性指標と潜在意識との関連を模索しながら明らかにする必要があることから、豊富な特性分析項目を持ち、かつ、約3分で負荷なくテストが完了する「カラタレ」が研究用ツールとして選定されました。 

「カラタレ」の詳細は、以下URLをご覧ください。
https://www.netone-pa.co.jp/solution/tm/color-tale_outline.php

担当者コメント

本研究の担当者である、名古屋大学 未来社会創造機構予防早期医療創成センター 大山慎太郎准教授(元メディカルITセンター 特任助教)は、以下のように述べています。

「就職時や職域での定期的なアセスメントの場面で資料や面談では拾いきれない個人の性格特徴や、不顕的で本人も気づいていない心理情報を抽出するために心理試験、とくに作業検査法が用いられています。内田クレペリン試験などに代表されるこれら検査法は質問紙法(アンケート)と異なり、回答の歪曲がされにくい点が利点として挙げられていますが、作業時間が長く、試験者や被試験者に大きな負担を強いるため、短期的な職務パフォーマンストレンドの評価には使いにくい欠点がありました。本研究はこういった課題に対し、AIを用いて解決する技術の検証を行ったものです。」

名古屋大学医学部附属病院メディカルITセンターについて

名古屋大学医学部附属病院メディカルITセンターは、病院総合情報システム(電子カルテ)の安全稼動を支援し、大学病院として診療録を中心とする情報の質の担保と維持・向上推進を支援し、さらにIoTデバイスやBig Dataを利用した技術開発をも行う部署です。患者さんの個人情報を守り、全体最適化の観点から質の高い医療を推進できるよう日々更なる開発を行っています。

ネットワンシステムズ株式会社について

ネットワンシステムズ株式会社は、優れた技術力と価値を見極める能力を持ち合わせるICTの目利き集団として、その利活用を通じ、社会価値と経済価値を創出するサービスを提供することで持続可能な社会への貢献に取り組む企業です。常に世界の最先端技術動向を見極め、その組み合わせを検証して具現化するとともに、自社内で実践することで利活用ノウハウも併せてお届けしています。 

※記載されている社名や製品名は、各社の商標または登録商標です 

<本件に関するお問い合わせ先>
ネットワンシステムズ株式会社 広報チーム:清水、塩谷
E-mail:media【at】netone.co.jp
(【at】を@に換えて送信してください)